2011年9月23日金曜日

がんばれ!リーダー

今回はちゃれんじキッズオリジナルの集団遊びの紹介です。
遊びというよりも「リーダー養成講座」の演習のような感じです。
しかし、それでも生真面目に取り組むよりは、楽しく、“遊び”として取り組める内容です。

【ゲーム内容】

1)まずはグループを少人数のグループに分け、部屋の一方に寄せます(4,5人です。チーム対抗になります)。
2)グループの中でリーダーを一人決めます。
3)スタッフは、部屋のもう一方に複数の物品を置きます。
お願い!借り物競走で使うような物と同一で構いません。
4)「〇〇を3個、△△を1個、◎◎
を2個(個数はチームの人数に合わせる)」などと書いた指令書を用意します。
5)開始の合図とともに、スタッフがリーダーに指令書を渡します。リーダーは、それを見て、その内容の通りの物を集めなければいけません。そこで、グループのメンバーそれぞれに「タロウくん、〇〇を持ってきて!」などと指示を出します。
大きな声で、はっきりと言えると伝わりやすいでしょう。
6)指示されたメンバーは、その物をもう一方の端から持ってきます。
7)各グループメンバーが物品を持って戻ってきたら、リーダーがそれらを集めてスタッフまで持っていきます。
8)スタッフは、指令書通りになっているかどうか、リーダーのリーダーシップはどうだったかを点数化し、チームで競います。


【ここが重要!】
お願い借り物競走とも重複する部分が多いかもしれません。
リーダーにとっては、まずはメンバーの名前を呼んで、指令書内容に沿った指示を考え、うまく伝えることです。
また、戻ってきたメンバーにお礼を言うことや、間違って持ってきたメンバーがいた場合、それをどう伝えるか、どう手伝うかなどもリーダーとして求められるところです。

もちろん、メンバーに怒ってしまうのは受け入れられません。
リーダーシップポイントが減点されてしまうことをあらかじめ伝えておくとよいでしょう。

一方で、リーダー以外の参加児童は、リーダーの指示を聞き、指示通りの物を持ってくることでリーダーに協力することです。
リーダーに協力することは、集団生活の中でとても重要なことなのですが、このゲームはみんなが協力的過ぎてもリーダーの練習にならないので、子どもたちに、「協力すること」をあらかじめ強調することはしません。


【その他】
指令書の内容が、抽象的であるほどリーダーシップを発揮しなければ指令が達成できません。
たとえば、「やさい」よりも、「健康的な食べ物」のほうが判断に迷いが生じやすいでしょう。

また、指令書の指令の数をグループメンバーに合わせるのではなく、過不足をわざと設けてもよいでしょう。


応用行動分析 集団遊び 集団活動 療育支援

かくれんぼ再考(最高)

説明するまでもなく、オニを決めたら他の子はとにかく隠れるという遊びです。
ちゃれんじキッズでは、最後まで隠れていられた子に対して賞賛(拍手や歓声)がおくられるという単純なルールでした。 


ちゃれんじキッズでは、同じ場所に数人が一度に隠れて「あっち行けよ」「入れてよ」という交渉になったり、成績が良い子のマネをする子が出てきました(マネされる側にとっては迷惑ですがDocomo_kao8
中には、座っているスタッフの間に、大人のふりをしてフードをかぶって座るだけという子もいますが、そういったアイデアは見ているだけでも楽しめます。


【ゲームの目標・狙い】  
① 隠れることができるか。
② オニから見て、如何に見つけにくいか?という他者の視点に立つことができるか。
③ 長く隠れていることを続けられるか(見つけてもらえないと、すぐに出て来てしまう子もいるので)。


応用行動分析 集団遊び 療育支援 かくれんぼ

どろけい(けいどろ)

全国的に有名なゲームの紹介です。
一説には、西日本では「けいどろ」、東日本では「どろけい」と言うとか言わないとか。
名古屋では「どろけい」です。

警察とどろぼうに分かれて、「警察がどろぼうを捕まえる」という基本ルールはどなたでもご存知の通りです。
ここではちゃれんじキッズで実施されている内容について説明します。

【ゲーム内容】
10人程度の場合、集団を、警察3人、どろぼう7人くらいに分けます。
あらかじめフィールドには、人が出入りできる程度に開いた牢屋を設置しておきます。
そして、スタッフの合図で制限時間内に警察がどろうぼうを追いかけ、どろぼうは逃げます。
ここまではおにごっこと何ら変わりません。

次に、捕まったどろぼうは牢屋へ入ります。

→遠くで捕まった子などがゆっくり歩いていると、別の警察にタッチされたり、捕まっていることを忘れたりと、スタッフが見ていないとグチャグチャになることがあります。
捕まれば牢屋へ入るのですが、どろぼうの仲間が助けに来ても良いわけです。
警察は如何に3人で牢屋を守りながらどろぼうを捕まえるか。
どろぼうは如何に逃げながら警察のスキをついて仲間を助け出すか、が見所です。

【ルール】

警察・・・どろぼうを捕まえる。タッチをすればよい。時間内に全てのどろぼうを捕まえることができるか、あるいは何人を牢屋に捕まえておけるかが目標となる。

どろぼう・・・警察から逃げる。隠れてもよい。警察にタッチされると牢屋へ行かなければいけないが、助けに来た仲間にタッチしてもらえると牢屋から逃げることができる。 


【その他】 
他にも「どろぼうが宝を盗む」などの複雑なルールが存在しますが、ちゃれんじでは実施していません。
仲間を助けるというルールだけでも十分楽しめると思いますが、隠れる場所が少ないと、ずっと走りまわっていなければならないので、子どもがすぐに疲れてしまいます。 


応用行動分析 集団遊び 療育支援 どろけい

2011年9月22日木曜日

意見発表会

読んで字のごとく、意見を発表しあう会です。
これは何かを競うものではないので、「集団遊び」というよりも「集団活動」と言ったほうがしっくりくるかもしれません。

【ゲーム内容】
様々なバージョンが想定されますが、それはその時の目標によって変わってきます。
たとえば、「好きなもの」に沿って発表して欲しい時、「とにかく何でも良いので、みんなの前で話す練習」をしたい時、あるテーマを決めて、その「テーマに沿って話す」時などです。

具体的には、こちらでテーマを「恐竜」と決めて、恐竜について思うことを何でも発表してもらうというものが「テーマに沿って話す」になり、「好きなものについて話してください」というと、「好きなもの」がテーマになります。

このゲームには正解がありませんが、かと言って全くの自由ではなく、以下のような最低限の基準を設けて対応しています。

①子どもは、挙手をして、あてられてから前に出て話す。
②子どもがあててもらえずに怒った場合には、次にはあてない。
③静かに挙手している子を優先してあてる。
④(子どもによって)テーマに沿っていない発表は、ヒントつきで言いなおしをしてもらう。
⑤前の子の発表の時に離席したり騒いでいると、次にはあてない。

 

 
【ゲームの目標】
発表が苦手で人前で小さな声になってしまう子は、学校では「もっと大きな声で」と言われ、常に発表には嫌悪感がつきものになります。
また、何を発表していいのかわからない子は、せっかく発表しても「違うよ」などと指摘されることが多く、やはり発表が苦手になっていきます。

そうすると・・・発表が苦手→発表の機会を避ける→同時に練習の機会が減る→さらに苦手になるという悪循環が起こります。

ちゃれんじキッズでは上記のような悪循環を避けるために、子どもに合わせた対応をしています。

たとえば、元々小さな声で話す子は、声が聞きとりにくくてもそれでOKとし、発表できたこと自体をほめ、周囲から認めてもらえるように対応しています。

ちゃれんじキッズではマイクを使っていますが、そのような工夫も良いです。
そのような中で人前で話すこと、みんなから認めてもらえることが「楽しい」と感じられるような経験を1回でも多くして欲しいというのがこのゲームの目標です。 


応用行動分析 集団遊び 療育支援 自己主張 意見発表会

2011年9月16日金曜日

新聞ノリノリ

このゲームは、どこかの集団遊びの紹介で見たと思いますので、ちゃれんじキッズオリジナルではありません(ジャンケンするところなどはオリジナルかもしれませんが)。
これまで身体的な接触を意図したゲームはありませんでしたので、ここで紹介しておきます。

【ゲーム内容】
まず、子どもたちに2~3人のグループになってもらいます。

そして、あらかじめ用意しておいた新聞紙を1枚渡し、広げた新聞紙の上に1グループが同時に立つ(乗る)所からゲームがスタートします。

スタッフの1人が前に立ち、一斉にそれぞれのグループの代表の子どもとジャンケンをします。
スタッフに勝つか、あいこだったグループはそのまんま。

負けたグループは乗っている新聞紙を半分に折りたたんでからまた乗ります。
負けるほど徐々に新聞紙が小さくなっていくわけです。

最終的に新聞紙から足がはみ出たり、グループの1人が乗っていられなくなったらそのグループは負けになります。
これを繰り返していき、最後まで残っていたグループが優勝です。

【ゲームの目標】
ちゃれんじキッズでは、まずはゲームを楽しめることが目標なので、グループで相談することを強制したりすることはありません。それでもやはり目標になるのは、グループの誰がジャンケンをするか、どうやったら狭くなった新聞紙にグループ全員で乗れるかなどを言葉で相談しあえることです。

ただ、言葉での相談とまでいかなくても、一方の立ち位置を見て、他の子が自分の立ち位置を修正したり、お互いのくっつき方、力の入れ方を調整できるだけでも他人を意識した立派な行動になります。

【ここが重要!】 

① 他の子に合わせて動きを調整できるか。
② ジャンケンで負けて、怒らずに新聞紙を折りたためるか。
③ 負けた後、他のグループが終わるまで座って待っていられるか。

④ 身体接触を忌避せずにゲームに参加できるか。
※ 忌避の程度によっては、接触が嫌いな子が無理に参加する必要はないです。


応用行動分析 集団遊び 療育支援 新聞ノリノリ

UNO(ウノ)

今回は世界的に人気のあるカードゲームについての紹介です。
ゲームのルールは誰でも知っている通りで、ちゃれんじキッズでも特別なルールはありません。なので、ここでは省略します。
このページでは、ウノを知らない子、しかもルール理解が苦手な子に対してどうやって教えていけばよいか?ちゃれんじキッズの工夫をお伝えします。

【ゲームの目標】

ウノの目的は当然一番になることでしょう。

また、順位とは別に、みんなで楽しむためには、順番を守ることやルールに従うこと、一番になれなくてもゲームを続けることなども大切です。

【ルールの教え方】
この手のゲームはルールが複雑で、覚えなければいけないことがたくさんあります。

そのため、子どもによっては、ルールを理解する前に参加をあきらめたり、〈draw two〉などのルールを知らない子にとっては受け入れがたい手札を出された時に癇癪を起こしたりしてなかなか定着しません。
せっかく一つのルールを覚えても、次のルールに直面して結局最後までやれないことが多々想定されるのです。

そこで、ちゃれんじキッズでは最初からルールを全て教えるのではなく、最小限のルールからウノを始めます。
例えば、初めての子どもとは「数字カードのみ」「複数枚出すルールは教えない」などの非常にシンプルな状態から始めます。
こうすることで「ウノに参加して最後までやること」を経験してもらいます。
ウノに参加できる(勝てればもっと最高)ことで、さらに複雑なルールを覚える動機づけが生まれます。
そこで徐々に「新しいルールを追加します」と言って、
一つずつ付け加えていくのです。
この方法はウノに限らず、トランプなどの他のカードゲームでも応用可能です。


以下に、初心者にウノを教える際のステップを例示します。
それぞれのステップは習得してからも2~3回は実施されることをお勧めします。
ステップはさらに細かくすることもできますし、飛ばしたり、同時に教えることもできます。その子に合わせた教え方の参考にしてください。

① 数字カードのみを使用して、同じ色か同じ数字のカードを出せることを教える(最初の手持ちは3枚~5枚で、出せるのは1枚のみ)。
② ①と同じルールで、数字が同じであれば色が異なるカードでも一度に出せることを追加する(2枚以上出せることを教える。最初の手持ちは5枚~7枚)。
③ 〈skip〉カードを追加する(配る前に説明をし、配る際に必ず手持ちに含まれるようにする)。
④ 順次〈reverse〉などの他の英語カードを追加する。
⑤ 想定される地方ルールがあれば、追加したルールで行ったり、追加せず行ったりして様々なルールに対応できるようにする。 

応用行動分析 集団遊び 療育支援 ウノ

2011年9月13日火曜日

フルーツバスケット

【ゲーム内容】
参加者の人数-1となるようイスを円形に配置し、そこに参加者を座らせます。
また、その数名の参加者を3グループに分けておきます。 そして、本来はそれぞれのグループにフルーツの名前をつけます。これで事前の準備は完了です。

進行は、円の真ん中に立っているオニが叫んだフルーツのグループの子全員が、座っているイスから別のイスに移動する中で、遅れた子はイスが足りず、一人が残ってしまう。そして、その子が次のオニになって、また一つフルーツを叫ぶという流れです。

さて、ちゃれんじキッズでは、このフルーツ名を最初は色名で実施します。 そして、それぞれの子にグループの色名と同じボンボンを腕につけておきます。
たとえば、A子ちゃんが赤というグループに所属して


いれば、赤いボンボンを腕につけます。 こうすることで、フルーツ名だと忘れがちな子どもであっても、自分の腕を見ながら参加できる可能性が高まります

【ゲームの目標】
オニにならないことや、自分の色を言われて素早く立ち上がること、自分以外の色では立ち上がらないことなどの目標が挙げられますが、この遊びの特徴は、なんと言っても中断がないということです。
これまでご紹介した遊びには、全て何らかの中断がありますが、フルーツバスケットは中断なく進められる遊びなのです。

というわけで、最大の目標は、「スタッフの介入がなくても遊びを続けることができるようになること」になります。
スタッフ(大人)に助けを求めずに、子どもだけで遊ぶことができることは、大人の目がない所でも集団遊びに参加しやすくなるため、どの子にとっても、とても重要な課題になります。


応用行動分析 集団遊び 療育支援 フルーツバスケット なんでもバスケット

連想カルタ

【ゲーム内容と目標】
まず、さまざまなもの(動物や飲食物など)が描かれたカルタを用意します。もちろん、カルタ以外のものであっても構いません(絵や意味のある文字が書かれているものであれば使えます)。それらを、部屋の一角にバラバラに配置しておきます。

次に、子どもたちを2つのチームに分けます。そして、ルールを説明します。
①スタッフが出すお題に沿った内容のカルタを持って来ること。

②カルタが人数分あるとは限らないので、遅いとなくなる可能性もあること。
③同じチーム同士、手伝ってあげても良いこと。
④持ってきたカルタがテーマに沿っているかどうかはスタッフが決めること。
他にも暴力的な行為の予防など、その集団に合わせた説明をした後、ゲーム開始です。

ゲームの流れを例で説明します。
まず、スタッフが「甘いもの」とお題を出します。
子どもたちが一斉にカルタのほうへ行き、お題に沿った内容のカルタを探し、持って戻ってきます。
持って来たカルタが、「ショートケーキ」「あめ玉」「砂糖」などであれば正解。
一方で「キムチ」「ヘビ」などであれば不正解と判定します。
お母さんが描かれたカルタを持ってきて「うちのお母さんは私にあまい」と言ったりした場合、ちゃれんじキッズでは正解にするでしょうね(笑)

さて、チーム対抗にする意味はここからです。
集団でやっている場合、「甘いもの」に対して適切なカルタを選択できない子どももいます。
「ケーキ」と言われて「ショートケーキ」のカルタを選ぶことや、「いちごがのっている食べ物」とか「三角形の食べ物」と言われて「ショートケーキ」のカルタを選ぶことはできても、視覚的な関連のない、「甘いもの」と「ショートケーキ」はより難しいと考えられます。
※この例は比較的簡単な例ですが、たとえば、「体をきれいにするもの」から「歯ブラシ」や「タオル」などを選ぶことは、より難しいかもしれません。「すっきりするもの」というテーマに沿った選択は、さらに難しいと思います(個人差がありますが)。

そこで、他の子が手伝っても良いというルールがあり、手伝った子どもは得点発表の時に名前を挙げられて「よく手伝ってくれたよね」などと賞賛されたりします。

変則ルールとして、完全な正解に2点、微妙な正解に1点と得点を与えたり、チームメイトを手伝うと得点がもらえるなどのルールがあっても良いかもしれません。

【ここが重要!】 

①聞いたテーマを覚えて、それをもとに適切なカードを選べるか。
②難しいテーマに沿ったカード選択ができるか。
③テーマに沿ったカードが見つからなくても、怒らずに次に切り替えられるか。
④チームメイトの様子を見て、手伝ってあげることができるか。
⑤スタッフの判定に従えるか。 


応用行動分析 集団遊び 療育支援 連想カルタ

2011年9月4日日曜日

お願い!借り物競争

【ゲーム内容】
まず2チームに分かれます。セッティングとしては、部屋の端(一画)に色々な物(ちゃれんじキッズでは箱やボールなど10品くらいを2セット以上使用;以下では“借り物”と呼びます)をランダムに配置します(イメージ図を下に示しました)。
そして、その左右両側に、それぞれのチームが向かい合う形で座ります(2チームそれぞれの列と、借り物でコの字になるイメージです)。この2チームの距離はゲームには関係ありませんが、5メートルくらいを考えてください。

部屋のもう一方の端に、ホワイトボードを壁に向けて(座っている子どもたちから見えないように)設置します。そのボードには、チームごとに子どもの名前と、 全ての借り物を縦に並べて書いておきます。そしてチームごとにスタッフがホワイトボードの前に立ちます(つまり2名)。長くなりましたが、これでセッティ ング完了です。 

ゲー ムは、それぞれのチームの最初の順番になった子どもが、合図で走り出し、ホワイトボードの前に立つスタッフの所へ行きます。そこで、スタッフから他の子ど もに聞こえないように、「ある子どもの名前(チームメイト)」と「借り物」を指示されます。その指示を受けた子どもは、指示通りの子どもの名前を呼び、 「○○くん(ちゃん)!△△持って行って!」と伝えます(「持って行って」の部分は「お願い!」などの依頼の表現であれば何でも可)。たとえば指示された名前が「いちろうくん」と「ふうせん」であれば、「いちろうくん、ふうせん持って行って」という具合です。指示された直後に大声で叫んでも、対象の子どもの前まで走って行ってから伝えても構いません。

指示された子どもは、指示された「借り物」をホワイトボードの前に立っているスタッフの所まで持って行き、そこでまた次の指示を受けます。これを借り物を全種類持って来るまで繰り返し、速さを競うというゲームです。

【ゲームの目標】
このゲームの目標は、何よりもまず、他の子どもの名前を呼ぶということです。
子ども同士のコミュニケーションにおいては、相手の名前を呼ばないとせっかく 話しかけても気付いてくれないことがあります。普段子ども同士の関わりが少なくて、大人との関わりが多い場合(大人は子どもの意図を察して反応してしまう こともあって)、相手の名前を呼ぶという習慣が定着しておらず、コミュニケーションの妨げになっている場面がちゃれんじキッズでも度々見受けられます。このゲームは子ども同士で名前を呼び合うきっかけを作れないか?ということから考え出されました。 

もちろん、指示を正確に聞くこと、相手の子どもに伝えることも大切なことであり、目標の一つです。そして、相手や借り物が指示と異なっている場合にはホワイトボードのスタッフに渡した時点で、やり直しとなります。

また、相手に「お願いをする」ことも重要な目標の一つです。たとえば、子どもの名前と借り物の名前だけを伝えた場合(前例では「いちろうくん、ふうせん」)、スタッフがすぐに止めて、正しく言い直しをさせます(ヒントの出し方は子どもによって異なります)。 

【ここが重要!】
①指示された子どもの名前を呼べるか。
スタッフの指示を正確に相手に伝えられるか(伝える側として)。 
③名前を呼ばれて、借り物をスタッフの所まで持って行くことができるか(伝えられる側として)。
急ぐことができるかどうか。 
⑤座っている際、チームメイトを応援できるか。

応用行動分析 集団遊び 療育支援 借り物競争

どろぼうゲーム

【ゲーム内容】

こ のゲームは、スタート地点から離れたところにある宝物(箱やボールなど)を取りに行き、それを持ってスタート地点に戻ります。そして、そこに宝物を置いた後、また取りに行くという動作を繰り返すゲームです。
時間内にどれだけ多く持ってこられるかを競います(個人対抗でもチーム対抗でも可能)。ただし、移動することができるのは音楽が鳴っている間だけです。音楽が止まっているのに動いてしまうと、警官役のスタッフに呼ばれて、スタート地点まで戻らなければな りません。1度の往復で持ってこれる宝物の数は1つです。

 【ゲームの目標】

音楽を聞きながら移動し、音楽が鳴り止んだら移動を止めるという単純な動作ができることが目標です。移動することに夢中になってしまうと、音楽が鳴り止んでいるのに気付かずに動いてしまって警官に捕まってしまいます。

また、警官役のスタッフに名前を呼ばれた際には、拒否したり、怒ったりせずにスタート地点まで戻れることも重要です。  

【ここが重要!】 
①音楽が鳴り止んだ時に、素早く動きを止めることができているかどうか。
②音楽が鳴り止んだ時に、止まれるようにスピードの調節ができているかどうか。
③警官に名前を呼ばれた時、素直にスタート地点に戻ることができるかどうか。 

応用行動分析 集団遊び 療育支援 どろぼうゲーム

2011年9月3日土曜日

しっぽとり

【ゲーム内容】
このゲームは参加者全員がお尻にしっぽをつけて、開始の合図でそれを取り合うゲームです。 ちゃれんじキッズでは、子どもを2チームに分け、チーム同士でしっぽを取り合います。

違う色のしっぽをつけるのでチーム分けを理解していなくてもしっぽの色を基準に取りに行くことができます。しっぽを取られてしまった子どもは、線の外にあるイスに自分で行き、座って同じチームの応援をするなどして待っています。

【ゲームの目標】
自分のしっぽを守りつつ、他の子どものしっぽを取るという動きができるようになることが目標です(一方しかできない子どもがいても問題ではありません)。

チーム戦なので、自分と違う色のしっぽのみを狙えることが参加のための最低条件です。また相手を仲間と協同で挟み撃ちにしたり、狙われている仲間に危険を知らせたりできるようになることが理想ですが、これは相当難しい目標です。

【ここが重要!】
攻撃に夢中になって防御が疎かになっていないか(あるいはその逆)。
①しっぽを取られそうになった時に手で掴んでしまわないか(反則)。 
②相手のしっぽを取ろうとするあまり、相手を掴んだり押したりしていないか(反則)。
③しっぽを取られた時、怒らずにエリア外のイスに座ることができるか。
④味方同士で相談したり(相談しなくても動きを合わせることで)相手を挟み撃ちにするなどの協力プレイができるかどうか。 
⑤味方に対して危険を教えたり(たとえば 「うしろ!」と叫ぶ)、味方を狙っている相手チームのしっぽを取ることで味方を助けることができるかどうか。 
⑥取られた後、味方チームの応援ができるか。
⑦勝利をチームで共有(お互い声をかけあう、笑い合う、ハイタッチをするなど)できるか。

応用行動分析 集団遊び 療育支援 しっぽとり